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クリームソーダ

くりーむそーだ

 クリームソーダとは、メロンソーダにアイスクリームを受かべた飲み物……と思い込んでいるのは日本人だけで、海外では、バニラ風味のコーラやルートビアなどの炭酸飲料を言う。この誤解を生んだ張本人は、銀座の資生堂パーラーであるらしく、創業時(創業時の店舗名は「ソーダファウンテン」)の明治35(1902)年に「アイスクリームソーダ」として提供した、ソーダ水にアイスクリームを乗せた飲み物が現在のクリームソーダの元祖だとのこと。もっともこのメニューは「アイスクリームソーダ」と、ちゃんと実態に即した名前となっており、現在も同じ名前でメニューに載っているから、クリームソーダ事件について資生堂パーラーを犯人扱いするのは筋違いというものである(誰も犯人あつかいしてないし、そもそもそんな「事件」ないし)。おそらく、このメニューが他の店でまねっこされて庶民に普及するうちに、「アイス」が抜け落ちて「クリームソーダ」という名称になってしまったのだと考えられる。

 また、「クリームソーダのソーダ=メロンソーダ」という固定観念を生んだ事件については(だから「事件」なんかないんだってば)、資生堂パーラーのHPを見ても当時のソーダがメロンソーダだったかどうかがよくわからない(現在はレモンとオレンジのソーダ水がレギュラーメニューで、メロンは本物のメロンを使った贅沢な季節メニューとなっている)ので、犯人とするには証拠不十分である(まーだ「犯人」とか言ってるし)。

 アイスクリームを乗せた飲み物をアメリカではfloat(フロート)と呼んでいるが、日本でもアイスコーヒーにアイスクリームを浮かべたものはコーヒーフロートと言っていて、クリームコーヒーとは言わない。「クリームソーダ」だけが頑固に向こうでは通じない名称を貫いているのである。

 ところで、海外の「クリームソーダ」を筆者は飲んだことがない。話を聞くからにまずそうで飲んでみる気もないので(飲んだかもしれないが、そうだったとしたら、まずかったので忘れている)、経験した人は感想をお知らせください。(KAGAMI & Co.)

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