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毒を食らわば皿まで、毒食わば皿まで

どくをくらわばさらまで、どくくわばさらまで

 毒を食らわば皿まで(毒食わば皿まで)とは、毒を食ってしまったならどうせ助からないのだから皿までなめてたいらげてしまえ、というやけくそみたいなことわざで、悪事を働いてしまったなら開き直ってその道を突き進めという、くじけそうな悪党を力づける応援歌、または、悪事に手を染めてしまった者は後戻りできないという、悪党の生態を冷静に観察したドキュメンタリー。どちらにしても、毒を食らった以上死んでしまうので、どんだけ暴れても最後は報いを受けるんだぞというオチはちゃんとつけており、言ってみれば、映画『ボニーとクライド(邦題『俺たちに明日はない』)』をひとことで言い表したようなことわざである。

 話はそれるが、筆者はこの「毒を食らわば皿まで(毒食わば皿まで)」を、ずっと「毒を食べてしまったら皿までバリバリ食ってしまえ」という意味だと勘違いしていて、なんてワイルドで大悪党にふさわしい言葉だと思っていたが、実際は「皿までなめろ」ということらしく(当たり前か)、「毒を食らわば皿を舐(ねぶ)れ」という別バージョン(というかオリジナル?)もちゃんとあるようだ。その事実を知ったとたんにこのことわざの輝きも薄れ、所詮はそのへんの小悪党の生態を描いたにすぎないというところまでイメージダウンしてしまったのは残念である。

 (KAGAMI & Co.)

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