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角打ち

かくうち

 角打ちとは、酒屋で立ち飲みすること、また、立ち飲みの酒屋のこと。本来は升酒(ますざけ)を飲むこと、酒屋で買った酒をその店内で飲むことを言ったもの。貧乏な酒飲みが知っていればいい隠語であるが、近年はこじゃれた立ち飲み居酒屋も「角打ち」を名乗っているところがあり、そこそこ人気を博しているので、有名どころの辞書もしぶしぶ載せているような言葉(辞書の気持ちはわかりませんが)である。

「角」は四角い枡のこととも、店の片隅のことともいわれる。では「打ち」はなにかというと、解説されているデータがない。有名どころの辞書(またまた登場)を見ても「打つ」に「酒を飲む」という説明はない。思うにこれは、「ショットバー」などと使われる英語shot(強い酒を一杯ひっかけること)から来ているのではないか(shotoはshoot〈打つ、撃つ〉の名詞形)。したがって「角打ち」も比較的新しい隠語かと考えられる(昭和初期刊の『大言海』には「角打」とは「小銃の射的」とあり、立ち飲み酒屋という記述はない。やっぱりね)。

​ もし「打つ」がshot barのshotから来ているのであれば、角打ちの「角」は、サントリーの「角瓶」のことではないかと妄想を発展させたくもなる。

 (KAGAMI & Co.)

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