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酒は飲むべし飲むべからず

​さけはのむべしのむべからず

 酒は飲むべし飲むべからずとは、「酒は飲め、飲んではいけない」と、相反する命令を並べた不可解な日本のことわざ。辞書などの解釈によると、酒は適量飲むぶんには、気分を盛り上げ、健康にもよいので「飲むべき」だが、(1)度を超すとさまざまな害を生ずるので「大量に飲んではいけない」、または、(2)適量で収まればよいが結局度を超してしまうので「結論として、酒は飲んではいけない」というもの。訴訟を起こされた「酒」の民事裁判において、(1)だったら和解、(2)だったら原告の勝訴であるが、解釈として有力なのは(2)のようである。(1)を支持することわざに「酒は飲むとも飲まるるな」「酒は飲むべし飲まるるべからず」があり、要するに、自分がコントロールして飲んでいるぶんにはよいが、酒に支配されるほど飲んではいけないということ。おそらく(2)の解釈に対して、酒飲み側の弁護士から強い反発があり、玉虫色の(1)の解釈が提出されたのではないかと推測する。なんだか憲法解釈のような話である(違うか)。ただ、個人的には「酒は飲むべし飲まるるべからず」のほうが、素直に納得できることわざのように感じられ、こちらのほうが先にあって、後から下戸なやつらから「酒は飲むべし飲むべからず」という解釈が提出されたと考えた方が自然なような気がする(ただの酒飲みの意見じゃないか、と言われればそれまでですが)。(KAGAMI & Co.)

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