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ごね得

ごねどく

 ごね得の「ごね」は、不満や要求をくどくど言い立てるという意味の「ごねる」の語幹、「ごね得」はごねて利益を得るということ。つまり、相手の要求にあれこれケチをつけたり、こちらの要求をしつこく言い立てて、相手を譲歩させて利益を得ること、また、そのようにごねた方が得だということ。例えば、国際間の様々な折衝で、相手国のあら探しをして少しでも自国に有利な条件で条約を結ばせるのがその好例で、諸外国は普通にそういうことをしているが(相手にしゃべらせずに、ぎゃー、ぎゃー騒いでいるだけなのを「ディベートの成果だ」とかなんとか言っちゃってさ)、「武士は食わねど高楊枝」のサムライ精神がある日本人は(関西人はそうでもないが)、必要以上にごねて利益を得ようとする態度を潔くないと軽蔑する。ところが、そうやって相手がごね得を勝ち取ると、「ちくしょう、あの野郎うまくやりやがって」と、やたらとうらやましがる(ごねときゃよかった、みたいな)のもまたわれわれ日本人であり、そんな複雑な気持ちを言い表したのがこの「ごね得」という語であるように思われる。(KAGAMI & Co.)

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