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​紅葉、もみじ

もみじ

 紅葉(もみじ)は、食の世界では鹿肉のことをいう。これは、古くから鹿と紅葉が相性のよい取り合わせとして和歌や絵画の素材として使われてきたからで、肉食が禁忌されていた江戸時代に隠語として定着したらしい。しかし、近年では、中華料理の出汁に使う鶏の足をいう業界用語「もみじ」が広まり、鹿肉をあえて隠語で言う必要もなくなったせいか、鹿肉は「しかにく」と生々しく提供される場合が多い。なお、鶏の足の「もみじ」は、足の形ともみじの葉の形の連想から来ているようだが、それなら、同じ形の連想から生まれた「かえで(カエルの手の意味)」のほうが適切であり、「もみじ」は鹿肉のために残しておいてほしかったものである。

 余談だが、肉食に抵抗のある私の妻は(といいながら、トンカツなどはばくばく食べているが)、私が鹿肉を食べていると、となりで「子鹿のバンビは可愛いな~♪」と歌い出すという嫌がらせをする。(KAGAMI & Co.)

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