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終わり良ければすべて良し

おわりよければすべてよし

 終わり良ければすべて良しとは、過程に失敗やトラブルがあっても、結末がよければ問題はなく、他人からも評価されるという、結果オーライの勧めである。この種のことわざがわれわれにとって厳しく感じられるのは、結果が出ない多くの人々にダメ出しをしているように受け取れるから。そこで、われわれ凡人はこの「終わり」のハードルを下げるという操作をして、「良い終わり」を演出しがちである。例えば、競技会で優勝できなかったが、表彰台に立てた。表彰台に立てなかったがベスト8に入った。予選落ちしたが、競技会に参加できたこと自体が成果だ……といった具合。

「終わり良ければすべて良し」は、もとはイギリスの古いことわざAll’s well that ends wellで、シェークスピアがそれをそのまま喜劇のタイトルに使ったことで世に知られた。しかし、この喜劇は、ストーカーみたいな女性の計略にはまってしぶしぶ結婚させられた伯爵のお話で、そのすっきりしない結末から上演回数も少なく、看板倒れみたいな芝居だが、そこからもやはり「良い終わり」をどう判断するかが、このことわざを納得するカギとなることがうかがえるのである。(KAGAMI & Co.)

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