コロナウイルス問題について 補遺3 PCR検査再考

ころなういるすもんだいについて ほい3

(前項のつづき)

●感染者が300万人もいたら、各高齢者施設の職員に1人や2人必ず保菌者がいたはずで、各地の高齢者施設はいまごろ死屍累々のありさまであっただろう(不適切な表現をおわびします)。この謎を解ける者があれば、感染防止と出口対策は見えたも同然である。つまり、日本の「潜り感染者」の数を多めに見積もれば見積もるほど、実数がわからなくても感染爆発を防いでいるという日本の現状が際立ち、「検査数を増やすことが感染防止に直結するの?」という疑問も大きくなるのである。

●「検査数を増やせ」と主張する者が陥りがちなのは、「検査数を増やすだけ増やし、全数検査に近づければ感染防止は達成される」という考えである。つまりひととおりしらみつぶしに検査を行ってしまえば(そして、WHOに実数を報告してほめてもらえれば)それでおしまい、というわけだ。しかし、3週間ほど以前に「全数検査の盲点」の項目で、私がすでに述べていたように、PCR検査は「自粛が必要な人」と「これから感染する可能性のある人」を区別するにすぎない。感染者を特定して自粛をうながし感染拡大を防ぐ効果は確かにあるのだろう。しかし、日本は感染者を特定しなくても(なにせ推定300万人も保菌者がいるんだからね)、爆発的感染を起こしていない。一方「これから感染する可能性のある人」に対しては、何度も検査を繰り返しつつ(それが検査数を増やそうとする人たちの主義だから)、この人たちを守るためにあいかわらず自粛措置は続けなければならないのである。

●ニューヨークの市長は検査体制を拡充して評判を高めているが、結果はどうなのか? 同様に正確な感染者数を出したと言われるドイツは、確かに他の欧州諸国より被害は少ないものの、いまや死者は7000人を超えて人口13億の中国(一時期感染者数を公然と隠そうとした)の倍近くとなっている(ドイツの人口は約8000万人)。韓国が感染抑制に成功したのは、検査数を増やして感染者を隔離することで感染拡大をある程度防いだかもしれないが、感染者ゼロの日を迎えることができたのは、その他の次元での感染防止対策が優れていたか、感染拡大を防ぐ重要な要素があったと考えるべきではないだろうか。

 私は以前に「検査は検査能力のキャパを見ながら増やせ」と提言したが、いま言い直す。「検査は目的をしっかり見定めて必要なところを増やせ」と。

(KAGAMI & Co.)

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