top of page

目安

めやす

 目安とは、おおよその見通し、目標、目印という意味で、「資金繰りの目安が立った」「譲渡日の目安を付ける」などと使う。目処(めど)、見通し、見当、目当て、目印などと類似性があるが、それらとくらべてややあやふやな印象があり、大企業が「経営再建の目安が付きました」などと発表すると、株主はかえって不安が増大する。

「目安」は「目」に、気持ちが楽であるという意味の「安し(やすし)」を加えた「めやすし」から来ている。「めやすし」は言葉の構成通り、見て安心、見て心地よいという意味で、吉田兼好も「万(よろず)のしわざはやめて、暇(いとま)あるこそ、めやすく、あらまほしけれ」つまり「(年を取ったら)仕事なんかやめちゃってヒマしてる姿がいい感じだし、そうありたいものだ」(あんた、すでにそうしてるんとちゃうんか)と言っている。つまり「見やすい」に近い意味で、そこから後世、箇条書きにして読みやすくした文章、訴状、また、ソロバンの位取りの目印などを「目安」と呼ぶようになり、このソロバンの「目安」が現代の慣用的な使い方につながっていると考えられる。

​(VP KAGAMI)

関連用語

bottom of page