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失敗は成功のもと、失敗は成功の母

しっぱいはせいこうのもと、しっぱいはせいこうのはは

 失敗は成功のもととは、失敗を認めその原因をつきつめて改善すれば成功に近づくということわざ。もっと醒めた言い方をすれば、「最終的に成功した場合、失敗は成功のもと」である。「失敗は成功の母」ともいい、文芸家はそちらを愛するようだ。このことわざは、20世紀に入って使われ始めたようで、もとネタは”Failure teaches success.(失敗は成功を教える)”というイギリスのことわざではないかと考えられる。この言葉は発明王エジソンが使ったことが知られていて、その意を正しく伝えようとするなら「失敗は成功の教師」とでもしなければならない。しかし「教える」とか「教師」のようなしんきくさい例えが好まれない日本では、「失敗は成功の母」という言い方が好まれ、「母」という生々しい表現もピンとこない昨今では、さらに漠然とした「もと」(味の素みたいなものか?)がおもに使用されている。

 考えてみれば、失敗を生かして成功につなげるためには、失敗の原因を追究し、それが次回は起こらないように手続きを改良しなければならないのであって、これをことわざにするなら”Failure teaches success.”「失敗は成功の教師」が正確である。なんだかわからないけど、やってみたら成功しちゃいましたみたいな「母」や「もと」は不正確だが、理屈っぽい話を嫌いがちな日本人にとってはピンとくる表現なのかもしれない。(VP KAGAMI)

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