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仰のけ

あおのけ

 仰のけ(あおのけ)とは、上を向くこと、上を向いた状態。「押されて仰のけにひっくりかえった」などと使う。つまり「仰向け(あおむけ)」と同じで、仰向けが変化したのが「仰のけ」だとされている。しかし仰向けと逆で下を向くことという意味の「俯け(うつむけ)」は「うつのけ」とは言わないので、「向き」と「のけ」には別の意味があると考えられる。上体を後ろに倒すことを「のけぞる」というが、これを「仰け反る」とも書くように、「のける」には仰ぐ、つまり上を向くという意味がすでにある。「のける」は「退ける」で、逃げる、しりぞくというのが本義。人は突然おどろかされたとき、後ろに下がろうとするが、足を動かす時間の余裕がない場合、上体だけを後ろに逃がそうとする。これが「のける」「のけぞる」であり、顔は自然と上を向くことになる。というわけで「仰のけにひっくり返る」は、単に「仰向き(上向き)」に倒れたと言いたいのではなく、のけぞるようにして倒れたという、倒れる様子のスローモーション再生をこころみた表現なのである(って、それほど考えて発言しているわけではないだろうが)。

​(VP KAGAMI)

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