一年の計は元旦にあり

いちねんのけいはがんたんにあり

 一年の計は元旦にありとは、一年の計画は元旦に立てるべきであるように、ものごと初めの計画が肝心であるということわざ。言いたいのは「計画は前もって」というところであり、豪華な日記を買ってきて正月に書き始めて安心しているような人は、一年の計の風上にも置けない。そんなものわかりの悪い連中に向けて、「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」とていねいに言い聞かすバージョンもある。「一年の計」云々を言い始めたのは、やはり大先生の中国人であり、『管子』(中国戦国時代から漢代にかけて成立したとされる思想書)には、「一年食っていくには穀物を育てよ、十年食っていくには樹木を育てよ、一生食っていくには人を育てよ」といった内容の、ありがたいご教訓が見える。この場合、「穀物や木を育てるように人を教育する」ことが大切だと言っているわけだが、われわれおバカな庶民にはいまいちピンとこないのか、明時代の戯曲『白兎記(はくとき)』では「一年食っていくには春の種まき、一生食っていくには若いうちの勤勉、一日うまくやっていくには朝の早起き」とアレンジされている。そこらを日本の学者はもっとすっきりまとめて、江戸時代の『譬喩尽(たとえづくし)』に「一年の謀(はかりごと)は正月にあり、一月の謀は朔(ついたち)にあり、一日の謀は朝にあり」と現代に通じる表現とするとともに、「ものごとは最初が肝心」というテーマへの集約がなされている。(KAGAMI & Co.)