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コツコツ

こつこつ

 コツコツとは、硬い物を硬い物で軽く叩く音として、ドアをノックする音、革靴で舗装路を歩く音などの表現に使われる。その音感から、口調や態度が固かったり、つっけんどんだったりする様子を表し、関西地方であまりにけんか腰にものを言うと「そうコツコツ言わんでも」とやんわり受け流される。

 コツコツはまた、地道に努力を重ねるさまを表し、「日々の仕事をコツコツこなしていれば必ずいいことがある」などと、落ち込んでいるヤツに気安めを言うときよく用いられる。使用頻度としてはこちらの方が多く、日本人の好きな言葉と言える。言わば『ウサギとカメ』のカメの姿勢であり、目先の利益に飛びつかず(というか、短期で利益をあげる才覚に乏しい)、地道に努力する姿が称讃される。これは島国日本全体の姿勢でもあり、海外からの圧力や評価を気にせずひたすら自国民の満足のために精進した結果、独特の文化や芸術を花開かせることになった。

 硬い物を叩く音の「コツコツ」は、その音感から来ていると思われる。歯を噛み合わせるときの音「カチカチ」もカ行の音とタ行の音の組合せで共通している。カ行の音は金属的な音を「カンカン」「キンキン」「コンコン」などと表すが、タ行の音はその金属的な響きを打ち消す働きがありそうで、「カチカチ」「カタカタ」「コトコト」のように、硬いけれども響きのない軟らかめの石や木材を叩く音に使用される。また一方で「コツコツ」は、漢字の「骨(コツ)」の影響も考えられる。頭を軽く叩くときの「コツン」なども同様だが、骨と骨がぶつかる音の表現として用いられているのではないだろうか。

 地道な努力の方の「コツコツ」は、漢語で勤勉な様子を表す「矻矻」から来ていると考えられる。「矻矻」は『漢書』にすでに見られ、現代中国でも、勤勉に働くさまを言う語として通じる。しかし漢字の「矻」は「矻矻」にしか使われず、日本では「兀」という字が当てられている。一方、聞き慣れない漢語だが、骨に刻みつけるように心にとどめて忘れないという意味の「刻骨(こっこつ)」というのがあり、日本ではコツコツ努力することという意味で使われている。ここにも「骨」が登場するが、例えば「コツをつかむ」の「コツ」は勘どころ、要領、奥義という意味だが、肉体を支える「骨」から来ているように、努力する方の「コツコツ」にも「骨(コツ)」とのつながりが見て取れるような気がする。(VP KAGAMI)

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