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なるべく

なるべく

 なるべくとは、可能な限り、できるだけという意味。「可能な限り」とは言うようなもののあまり押しの強くない言葉で、「優勝するようになるべくがんばります」などと言うと、やる気あるのかと疑われ、「重要な会議ですのでなるべく出席してください」と言われると、重要な会議かもしれないが、いやなら出席しなくてもいいのかな、という気分にさせられる。

 ものごとが完成する、実現するという意味の「成る」に、可能の助動詞「べし」の連用形「べく」が付いた語で、「完成できるように」「実現できるように」といった意味合いになるかと思われる。「べし」には、義務や命令の意味もあるので、それだと「なるべく」も強い表現となるが、使用例からみてもそんな意味合いはない。むしろ「桜は散るべき運命にある」のように、「自然にそうなる」というゆるい感覚が「なるべく」には表されているように感じる。

 類語に「なるたけ」がある。「たけ」は「ありったけ」のように、それ限りという意味を加える語だが、意味合いとしては「なるべく」に近く、しかも口語的な軽い表現となるなので、「優勝するようになるたけ頑張ります」などと言うと、やる気のなさをさらに露呈しそうである。

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