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その折、そのおり

そのおり

 その折(そのおり)は、「その折にはよろしくお願い申し上げます」のように、その時、その機会などの意味で使う言葉である。「折(おり)」はつまり、ある時点を表す語。類似の言い方に「その時」「その頃」「その節(せつ)」などがある。「その時」は「その時歴史が動いた」のように、ピンポイントにある時点を示し、「その頃」は漠然とした期間を示す。これらに対して「その折」「その節」は、純粋な時を表すのではなく、なんらかの人事が行われていた時(行われようとしている時)、特に話し手に関わる人事が行われる時を表す。「その折歴史が動いた」と言われてもしピンとこないのは、われわれが歴史の動きとはなんの関係もない凡人だからである。だからまあ坂本龍馬なら、「その折、歴史を動かしてしまいました」などと手紙に書いてきたら「ごもっとも」と返信することになるだろう。

 「折」は「せつ」とも読むので、「その折(おり)」と「その節(せつ)」は似たような使い方をされ、「使い方が違うだろ」などと問題視するバカもいないが(おまえが、いままさにこのことを問題視しているバカなんじゃないのかと言われそうだが)、両者には微妙な違いがある。

「節」は、竹の節(ふし)のように長いものの区切り目、一直線に流れる時間の区切り目というイメージで表される「時」である。「その節はたいへんお世話になりました」のように使うとき、「節」は一直線に流れてきた過去の人生の中で相手の人に「お世話になった」時間を表している。

 一方「折」は、ものを曲げたり、曲げて切り離したりするという意味の「折る」から来ているように、折れまがった角の部分というイメージで表される「時」である。どういうことかというと、その時を区切り目として一直線に流れてきた時間が折れまがる、つまり、変化するのが「折」ということだ。したがって「その折」は、冒頭に掲げた「その折はよろしく……」という例文のように、どうなるかわからない将来の時間、その「折」を境目に自分の生活に変化が生じるかもしれない時間について使うとしっくり来る。将来の出来事に関して「その節にはよろしくお願い申し上げます」と言っても間違いないし、だれも疑問を持たずに使っているが、なんとなく違和感を感じるのはそのせいかと思われる。

(KAGAMI & Co.)

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