曲者、くせ者

くせもの

 曲者(くせ者)とは、怪しい人、油断ならない人物。時代劇で「曲者」と指摘されるのはたいてい忍者で、屋敷に忍び込んだところを見つかって、「ぬぬっ、曲者! 出会え、出会え」などと騒がれる。つまり、屋敷に忍び込んで誰にも見つからずに仕事をやりおおせれば、そんな名称で呼ばれることもないので、怪しい人、油断ならない人とはいったようなものの、実際は間抜けな三枚目キャラの側面もあるといえる。

 時代劇くらいにしか登場しない「くせ者」は、現代ではなかなかお耳にかかれそうもない言葉ではあったが、日本野球のスーパースターである長嶋茂雄氏が、監督時代に元木大介選手を「くせ者」と呼んだことから、いまでもそこそこ流通するようになっている。

「曲(くせ)」は、人が無意識に行うちょっとした動作である「癖(くせ)」と同源で、いやな臭いがするという「臭い(くさい)」から来ているようで、他人から見て(においの場合はかいで)不愉快に感じるその人の態度や性格をいった言葉。つまり、曲者は「くせえっ!者」と言いかえてもさほど違和感はないわけで、屋敷に忍び込んだ忍者は、よほど風呂に入っていなくて汗臭さでバレたに違いない(違うよ)。(VP KAGAMI)

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