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ぎっちょ、左ぎっちょ

ぎっちょ、ひだりぎっちょ

 ぎっちょ(左ぎっちょ)とは、左利きのこと。その昔、左利きは右利きに矯正され、左利きの人がこの言葉を投げかけられ差別的扱いを受けたことから、近年は差別用語の一種として使用が控えられている。差別的扱いを受ける一方、左利きの人は頭がいいというウワサがそのころからまことしやかにささやかれていた。左利きは右利きに矯正されて両手が器用に使えるようになるので、そんな話も生まれたのではないかと筆者は考える。右利きへの矯正(矯正という言い方にも抵抗があるかも)もされない昨今では、左利きの人も右利き同様の扱いを受けている(つまり、優秀なヤツもおバカも普通にいるという……)。だって、野球で左投げの投手が右投げの投手より頭がいいとはとても思えないものね(失礼)。

 「ぎっちょ」の語源について『大言海』は「器用」からだとしている。言葉の意味という点ではわからないでもない語源だが、「左きよう」→「左ぎよう」→「左ぎっちょ」という変換は、よほどの関西弁の使い手(やるとしたら関西弁だろうと思っただけで他意はありません)でも苦しいような気がする。もともと「ぎっちょ」は「ぎっちょう(ぎっちゃう)」と発音されていたことから、鎌倉時代以後に流行った「毬杖(ぎっちょう)」というホッケーのような遊びから来ているとする説もある。この場合、左利きという意味になった経緯が不明だが、雅楽のあるホームページを見ると、「毬杖」をテーマにした舞楽があり、さる高名な演者が、右手に持つべき杖(スティック)を左手に持って演じてしまったことから「左利き」の意味が生まれたとする逸話を紹介している。「毬杖」が流行っていたころ、この遊びに夢中になっている若い連中を「毬杖冠者(ぎっちょうかじゃ)」と呼んで馬鹿にしていたというが、そのような差別的意味が左利きの「ぎっちょ」に反映されているのではないかとも考えられる。

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 この項目をアップしてしばらく後、思いついたことがあるので、追記します。

 日本語には、「太っちょ」「あまっちょ」「横っちょ」のように、……である者、……であることを意味する「ちょ」という接尾語がある。「太っちょ」「あまっちょ」「ちびっちょ」のように、「ちょ」が人の属性の後につく場合、その人をかわいく思いつつバカにした言い方となる。「ぎっちょ」も、左利きの人を子どもややバカにした「左ききっちょ」または「左ぎきっちょ」が略された語ではないか。「太っちょ」などの「ちょ」、また、「ぎっちょ」がどのころから使用されていたのか調べる必要があるが、けっこうイケてる説だと思う。

 (KAGAMI & Co.)

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