かわいそう、可愛そう、可哀相

かわいそう

 かわいそう(可愛そう、可哀相)とは、あわれだ、同情をさそわれる、という意味。「あいつに仕事をまかせたのが間違いなんだから、そんなに責めたらかわいそうですよ」などと使う。「かわい」は「かわいい」の語幹。「かわいい」は、現代では、愛らしい、いとおしく感じる、という意味だが、本来は「かはゆし」で、恥ずかしい、見えるに耐えない、不愍(ふびん)だという意味だった。つまり「かはゆし」にはもともと「かわいそうだ」という意味があり、これに、そのような様子である、そのように見える、感じられるという「そう」が付いた「かわいそう」は「かわいそうに見える、かわいそうに感じられる」という意味となる。

「かわい」に、「そのように見える、そのように感じられる」という意味の接尾語がついた言葉には、他に「かわいらしい」があるが、こちらは現代の「かわいい」の使い方のままで「かわいく見える、かわいらしく感じられる」という意味になる。なぜ同じ成り立ちの「かわいそう」と「かわいらしい」が別の意味になるのかはよくわかっていないので、私の思いつきを述べるが、「そう」は「悲しそう」とか「大変そう」のように、そのものを見た瞬間直観的に感じる感じ方を表しているのに対して、「らしい」には「男らしい」「春が来るらしい」のように、ある事象を見てそこから推論をめぐらしたり、伝聞を表すという意味合いが強くなる点に着目すると、顔が赤くなるという語源を持つ「かはゆし」(「かわいい」の項目参照)が瞬間的な感じ方を表す「そう」に付き、子どもなどのさまざまな表情や動作を総合して「愛らしく見える」とする「かわいらしい」に、推量や伝聞を含む「らしい」が付くのは自然ではないかと考える。(VP KAGAMI)

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