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地下足袋

じかたび

 地下足袋とは、足袋(たび)にゴム底を付けた屋外作業用の履き物。足袋は、和装のさい足にはく室内履きで、洋装でいえば靴下にあたるが、靴下と違い、つま先が、親指を入れる部分と他の指を入れる部分に分かれているのが特徴。地下足袋は、地面で「直(じか)」に履く足袋のような形の履き物だから「じかたび」と言い、「地下」は当て字。漢字だけ見ると「地下室で履くソックス?」とか「闇のマーケットで取引されているヤバい足袋?(どんなんだよ)」みたいなものが連想される。

 地下足袋は、「足袋」なのだからと屋外からそのまま室内に踏み込んだら叱られる。したがって、これは本質的に「足袋」なのではなく、あくまでも屋外用の履き物である。「足袋」と名乗っているのは、親指が独立している足袋の形状に着目した履き物だからだ。その意味で、「地下靴下」という商品はありえないが、最近は5本指靴下というのがあるので、「地下5本指靴下」はできるかもしれない(などとのんきに考えていたら、実際にそういう商品はすでにあるようだ)。

 地下足袋は足裏に力が入りやすいので高所作業などにも適しているとされ、ただばかみたいに「歩くだけ」の靴と違い(靴はそれでいいんですが)、その機能性が海外でも注目されている。いまのところ地下足袋は、決してオシャレでもカワイくもない履き物なので、誰もが飛びつくという代物ではないが、ファッション市場では何が起こるかわからないので、地下足袋業者の皆様も来るブームのために日々の精進を怠らないようにしていただきたいものである。(KAGAMI & Co.)

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